IOの拡大戦略は、2010年ビジョンの中で核事業として位置付けられている、総合量販店、スーパーマーケット、ドラッグストアの3つの分野での水平的な規模拡大の動きであって、拡大という言葉が連想させる事業多角化の動きとはまったく異なる。
これら核となる3つの事業領域で提携活動を活発に行なっているのは、水平的な規模の拡大を、価格競争力のある商品開発の拡大などの垂直的なエネルギーに向け、その効果と効率をできる限り増幅するためだ。
売上規模をただ大きくするための提携とはまったく性格が異なる。
ここでいう垂直的なエネルギーとは、メーカーとの直接取引や、粗利率が高いプライベートブランドの開発や、物流コストおよび店舗オペレーションコストの引き下げなどの取り組みだ。
このようにして規模拡大が進めば、IOが今進めているITを駆使した各種システムや、全取っ替えで一新する物流システムの効率がさらに向上する。
積極的な提携戦略の展開によって、業界におけるIOの影響力と存在感は確実に増している。
提携については、古典的な資本の支配による提携よりも、体系だったシステムが現代では重要な意味を持っている。
持株比率が低くても、全体のシステムで優位に立っていれば、提携の推進は容易だ。
なぜなら、そのシステムを活用することで大きなメリットが期待できるなら、自ずとそのシステムに参加することになるからだ。
ただこのシステムは効果が大きいほど価値は高くなるわけで、システムに参加する見返りに資本参加ということに当然なる。
WMのリテールリンクはこのわかりやすい例だ。
現在構築が進んでいる、IOのシステムもWMのリテールリンクと同様の戦略的意味を持っている。
他業界での場合では、合従連衡の動きが活発化してきたホームセンター業界で同じようなことが言える。
ホームセンター業界の合縦連衡の動きを、表面的な資本関係で見がちだが、WMのリテールリンク的なものがないかという視点が必要だろう。
そこで何が見えるか。
HMがIBMと開発してきたシステムに注目すべきだろう。
このシステムが大きな効果をもたらすものであれば、HMはこれを武器にした提携戦略を展開できるのではないか。
IOの拡大戦略は、2010年ビジョン実現の戦略に基づいたもので偶発的なものではない。
そしてこの拡大戦略は、構築中の新しいシステム体系の効率を高める効果がある。
IOは日本の小売業の中で、小売業の産業化的な変革に、最も大規模に取り組んでいる。
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